ヴィック・ディッケンソン「The Vic Dickenson Showcase」
中間派ジャズの代表的アルバム、という謳い文句。
中間派ジャズというジャンルがあると知ったのは、つい最近のことです。最初にその単語を聞いた時は、「まーた変な単語が出てきたのか」という気持ちでした。そもそも何の中間?訳が分からないという具合です。
このアルバムの解説を見ると、中間派ジャズとは、「スイング時代の末期からモダン・ジャズへの過渡期に、主としてコンボによって行われたスイング・セッションを指す」ようです。「原則として編曲はなく、いわゆる「ヘッド・アレンジ」でくつろいだジャム・セッションを繰り広げた」中間派ジャズは、モダン・ジャズのシリアスな演奏に疲れた時に、ふらっと立ち寄れる馴染みの居酒屋のような安心感を与えます。
]
Vic Dickenson Septet - Russian Lullaby - YouTube
一曲目の「ロシアの子守唄」。最後のアンサンブルの盛り上がりが凄い。ジャム・セッションでここまでメロディを合わせられるのも流石だと思います。各プレイヤーの演奏は、非常に人間味のある感じがします。モダン・ジャズでバリバリというよりは、まーボチボチやっていこう的な心持ちですね。
ちなみに、このアルバムは2LPとして売り出されていますが、ディスク1と2でプレイヤーが若干異なります。個人的には、ディスク2のみ参加するドラマーのジョー・ジョーンズが、幾分タイトな雰囲気を作っている気がします。
また、このアルバムは、CDでも販売しているようですが、2LP分を1CDにまとめた関係でどうやら全曲入ってないようなんです。このアルバムを真に楽しむならレコードですね。