ゾンビのジャズアルバム備忘録

ジャズアルバムの備忘録

Harbie Harper sextet

またモードレコードの紹介になってしまう。


f:id:orientalpekinensis:20190422232024j:image

 

これでモードレコードもかなり集まったのではないだろうか。

 

これは先日ディスクユニオンの関内店で見つけたものだ。ちょうどハマスタで野球観戦のオフ会する日で、意気揚々と待ち合わせ時間より大分早めに着いて、結局手持ち無沙汰になりぶらぶらとレコード店に。まあ計画性が無いのは生まれつきの性分である。ただ、そういった時は得てして掘り出し物が手に入るものだ。

 

ハービー・ハーパーは、モードレコードの例に漏れずモダンジャズシーンで目立たない、埋もれたプレイヤーの一人だ。ただ、その時代にはそういったプレイヤーがごまんといて、誰もが相当な実力者であった。ハービー・ハーパーも演奏技術、プレイの「色」にかけては素晴らしく、到底マイナー奏者というレッテルを貼られるほどしょぼくれたプレイはしていない。

 

当アルバムの白眉はA-2の「Little Orphan Annie」。同名の古いラジオ・ショーのテーマソングであり、ある種昔懐かしといったメロディが魅力。アンサンブルがいい。

 


Little Orphan Annie - YouTube

 

さていよいよゴールデンウィーク

久々に予定がガチガチに埋まり楽しみだが、それまでは仕事で地獄の1週間を過ごさなければならない。身体が持つかどうか・・・

 

 

 

 

Conte Candoli Quartet

 

すこし少し前に案内したことがあるけど、聞けば聞くほど好きになるアルバムが幾つかあって、その中の一つがコレ。

 

毎度おなじみモードレコード君
f:id:orientalpekinensis:20190121222441j:image

最初聞いた時は、音が良くて演奏がいいなーくらいの、あまり印象に残らないアルバムではあったが、2回目、3回目と聞いていくうちに段々好きになって行った。

 

とにかく、Conte Candoliのトランペットの表現の幅が素晴らしい。シャカリキにトランペットを吹く訳ではなく、適切な音を紡いでいく理知的なプレイ。A-2等で見られるミュートも非常にふくよかな感じがして良い。

 

よくトランペットやサックスで歌心があるプレイって言うけど、要はいかに奇をてらわずに旋律を奏でられるかって事なんだよね。その点Conte Candoliは音的な破綻がなく、素直に聞くことが出来る。構えることなしにのんびりと聞けるって、結構貴重だと思う。

ラムゼイ・ルイス「The In Crowd」

皆さんは、ソシャゲのガチャを引く時に何の音楽を聴かれるのだろうか。何も聴かへん?嘘やろ(驚愕)

 

 

・・・1人漫才はさて置き、私はガチャを引く時にはノリノリのジャズを聴きます。これからええの引いたるで〜覚悟しいや〜って感じやねん。それも、トランペットだの、サックスだの余計な楽器の入った必要ないんや。ピアノとベースとドラムがあればええねん。

管楽器のファーって音は煩いしな。

f:id:orientalpekinensis:20181018223545j:image

 

えーそういう訳で、今回ご紹介したいのは、ラムゼイ・ルイストリオの「The In Crowd」でした。イェーイ。ちなみに今日これ聴きながらガチャ引いて爆死しました。イェイイェーーーーイ!

 

ちなみに、これはTDNピアノトリオのアルバムではありません。

なんと、ビルボードチャートのトップテンにランクイン(6位)するほど、当時人気を博しました。ジャズ界では滅多にないビルボードチャート選出!すごい!多分!

 

https://youtu.be/jsFST-7Hx-Y:embe
Ramsey Lewis Trio The 'In' Crowd - YouTube

 

このアルバムは、お聴きいただけたら直ぐに分かりますが、ライブ盤です。A面冒頭の「The In Crowd」から、ノリノリに飛ばしまくっている。というか、観客のノリが良すぎる(笑)。リズムに合わせて皆さん手拍子してらっしゃる。恐らくライブも中盤以降なんですね。曲としての展開が見事で、少しずつ盛り上がっていくソウル・ゴスペル的曲想を忠実に再現。サビの最後の部分の、ベース音と合わせた唸り声も、白米に添える梅干のようなうま味(うまあじ)を感じる。

 


Ramsey Lewis Trio-Since I Fell For You (Washington Live 1965) HD - YouTube

 

2曲目の「Since I Fell For You」がまた良い。R&B経由で入ってきたこのスタンダード・ナンバーをスローテンポで演じることで、1曲目と緩急を付けて一気にアルバムに引き込まれます。3曲目の「テネシー・ワルツ」やB面冒頭の「スパルタクスのテーマ」等、みんなが知ってる選曲をすることで、観客も盛り上がっていく。憎いなーこの選曲。もうみんなノリノリですやん。

 

 

ジョー・ジョーンズ「Jo Jones Trio」

私がジャズ・ドラマーで一番好きなのはジョージョーンズである。愛称はパパ・ジョー。スイング時代からキャリアを重ねていき、ベイシーバンドでは「All American RhythmSection」の一員として讃えられた。特にハイハットによるリズムのキープやブラッシュワークは後進のドラマーに多大なる影響を与えた。

 

そんなことより、楽しそうにキテレツなドラム叩いているパパ・ジョーを見てよ。

 


Jo Jones, a magician on drums, in Caravan - YouTube

 

正にドラムの魔術師と呼ぶに相応しい。そして笑顔。すごく楽しそうに叩いていて、見てるこちらもウキウキしてしまう。

そんなパパ・ジョーも晩年はオンボロのアパートで生活保護を頼りに一人寂しく過ごしていたそうだ。今よりも黒人への搾取が横行した時代だったのだろう。

 

それで今回案内するアルバムは、エベレスト盤の「Jo Jones Trio」。ピアノのレイ・ブライアントファンからは「レイ・ブライアント・トリオ」と呼ばれているそうだが、その呼称は間違っていると声を大にして言いたい。このアルバムのリーダーはパパ・ジョー。ドラムの内容、ドラムを重視したマスタリングからして、180度道を踏み違えても「レイ・ブライアント・トリオ」と呼んではいけない。

 


Jo Jones trio & Ray Bryant - Jive at Five - YouTube

 

「Jive At Five」ではスティックの他に指を使ったドラミングを披露。弾むような演奏で楽しい。

 


Joe Jones Trio - Embraceable You - YouTube

 

「Embraceable You」では、一転して曲調に合わせた穏やかなブラッシュ・ワークを見せる。このような切り替えがドラマーにとって大事なのではないでしょうか。

 

他にも、ハイスピードのブラッシュ・ワークとドラミングが本アルバムで堪能出来る。ジャズ・ドラムに興味があるなら、是非一度聞いてみて下さい。

ヴィック・ディッケンソン「The Vic Dickenson Showcase」

中間派ジャズの代表的アルバム、という謳い文句。

 

中間派ジャズというジャンルがあると知ったのは、つい最近のことです。最初にその単語を聞いた時は、「まーた変な単語が出てきたのか」という気持ちでした。そもそも何の中間?訳が分からないという具合です。

 

このアルバムの解説を見ると、中間派ジャズとは、「スイング時代の末期からモダン・ジャズへの過渡期に、主としてコンボによって行われたスイング・セッションを指す」ようです。「原則として編曲はなく、いわゆる「ヘッド・アレンジ」でくつろいだジャム・セッションを繰り広げた」中間派ジャズは、モダン・ジャズのシリアスな演奏に疲れた時に、ふらっと立ち寄れる馴染みの居酒屋のような安心感を与えます。

 

]
Vic Dickenson Septet - Russian Lullaby - YouTube

 

一曲目の「ロシアの子守唄」。最後のアンサンブルの盛り上がりが凄い。ジャム・セッションでここまでメロディを合わせられるのも流石だと思います。各プレイヤーの演奏は、非常に人間味のある感じがします。モダン・ジャズでバリバリというよりは、まーボチボチやっていこう的な心持ちですね。

 

ちなみに、このアルバムは2LPとして売り出されていますが、ディスク1と2でプレイヤーが若干異なります。個人的には、ディスク2のみ参加するドラマーのジョージョーンズが、幾分タイトな雰囲気を作っている気がします。

 

また、このアルバムは、CDでも販売しているようですが、2LP分を1CDにまとめた関係でどうやら全曲入ってないようなんです。このアルバムを真に楽しむならレコードですね。

 

 

ミルト・ジャクソン「Milt Jackson quartet」

ブログの更新を怠っていました。すみません。

 

最近レコードプレーヤーを手に入れたのですが、レコードの方が音の鳴りが良く、ここ数日専らレコードを聞いている日々です。レコードは、CDと違って、アナログのマスターテープの情報を過不足なく記録します。また、CDでは、限られたスペースにレコードの2倍の情報を記録するため、人間の聴覚できる範囲外の周波数の音をカットしますが、それによってレコードの持つ音の広がりが削ぎ落とされているようです。

 

今日はミルト・ジャクソンの「Milt Jackson Quartet」です。ミルト・ジャクソンヴィブラフォンという鉄琴の一種である打楽器のプレイヤーです。

ボピュラー音楽ではあまりお目にかかれない楽器でさが、ジャズでは案外、使用されているケースが多いです。

 


Wonder Why - Milt Jackson - YouTube

 

一曲目の「Wonder Why」です。ミルト・ジャクソンは、自身のカルテットの他に、MJQ(モダン・ジャズ・カルテット)としての活動にも参加しており、むしろそちらの方が有名です。

MJQでは、クラシック音楽の要素を使用した室内楽的なサウンドであり、ジャズの世界では珍しく、25年間メンバー交代なしで活動を続けました。

ただ、私はこちらのミルト・ジャクソン・カルテットのほうが好きです。ピアニストにファンキーなホレス・シルヴァーが参加しているのが大きいかも知れません。

 


The Nearness Of You - Milt Jackson Quartet - YouTube

 

4曲目の「The Nearness Of You」。私は真夜中に聞いていて、泣いてしまったことがあります。心にグッとくるバラード。MJQのヒンヤリとした音楽よりも、こちらのアルバムの、直情的な所ががどうしても好きになってしまう。どちらもミルト・ジャクソンがリーダーなのにね。

ジョニー・グリフィン「A Blowing Session」

ベイスターズが8連勝と波に乗っている。正直今永、ウィーランドら先発を怪我で欠いた中、ここまで勝てるのは凄いと思う。ベイスターズファンとしても、喜ばしい限りである。今年こそは、是非優勝して欲しいと切に望む。

 

そんな感じで、今日は試合をテレビで見たあと、散髪に出かける。散髪は専ら、美容院よりも床屋。散髪中は気持ちよくなってすぐ眠くなり、床屋帰りも眠気が引きすりアンニュイな気持ちになっていた。もう夕方過ぎて、薄暗い空には雲が彼方まで掛かっていた。


f:id:orientalpekinensis:20180415212230j:image

 

 ふと、このアルバムのことを思い出す。テナーサックス奏者、ジョニー・グリフィンの「A Blowing Session」である。小さな巨人と呼ばれるジョニー・グリフィンの、ブルーノートセカンドアルバム。アルバム名の通り、トランペット、テナーサックスが吹き倒す痛快なアルバムだ。

注視すべきは、トランペットはリー・モーガン1人だが、テナーサックスはジョニー・グリフィンの他に、ハンク・モブレージョン・コルトレーンが参加している点である。いずれも、この時点でリーダーアルバムを出している名うてのテナーマンである。

 


The Way You Look Tonight - Johnny Griffin - YouTube

 

一曲目。ラブ・ソングが、痛快なハード・バップソングと化している。テナーが次々とソロを取っているが、誰がどのパートで吹いているのが分からない。でもみんな方向性は等しく、ブイブイと吹いているのだ。とてもパワフルでノリのいい曲である。

 

ほかの曲も、テンポが良く、ノリのいい感が続く。これを聞きながら、明日の仕事に備えるのだ。