デューク・エリントン「Piano Reflections」
私は成瀬駅南口のタクシー乗り場に突っ立っていた。
夜8時。バスの本数が減っていき、タクシーの乗り入れが増えていく、その狭間の時間。乗り場には3人もの人が、私の前に待っていた。
バスの待ち時間が10分もあるからと、見限ってタクシー乗り場に行ったのは間違いだったかもしれない。
私は頭を軽くかいた。いつもの癖である。
私は、東京郊外の駅にしては賑わっている成瀬の街並みを眺めながら、先日受けたセミナーについて思いを巡らした。
思いを巡らした、といっても大した「思い出」でもなかった。セミナーの内容は、あまり詳細を記載すると不味いので言えないが、自己の仕事の内容を内省して、同じミスを繰り返さないというもので、まあありきたりなセミナーであった。セミナーの仔細より、講師の女性が沖縄系美人であったことの方がポイントが高かった。
というわけで(?)、今回は、そのセミナーの名前繋がりで、エリントン公爵様の「ピアノ・リフレクション」を紹介します。
デューク・エリントンは、御存知の通り(?)ビック・バンドジャズの大家。生涯残したアルバムは、500以上あると言われており、流石にそこまでは集められない。
その中で、デューク・エリントンが少人数のピアノ・トリオ構成で演奏しているものが若干数あり、数多あるエリントンアルバムの中でも人気があるのである。
【参考】今回のアルバムとはまた別のアルバム「マネージャングル」より、「Caravan」。
Duke Ellington - Caravan - YouTube
それぞれ好き勝手演奏しているという印象で、ともすれば暴力的とも取れるかもしれない。とんがっているって感じ。
今回のアルバムは、上記よりぶっ飛んではないものの、年季を重ねたエリントン氏の貫禄のある、そして滋味深い演奏が楽しめる。
Duke Ellington: Dancers in love - YouTube
「Dancers In Love」。スウィンギーという言葉がピッタリ。まあ元祖スウィングジャズの方ですから。
Duke Ellington: In a sentimental mood - YouTube
そして、「In A Sentimental Mood」。少ない音数で紡ぐ、滋味深い本家エリントンナンバー。この曲は他のミュージシャンのカバーが多いが、正解はこれ。
ところで、なぜこのアルバムとセミナーが繋がったのだろうか。Reflectionという単語はすなわち、内省を意味する。セミナーの題名にもリフレクションという文字が着いており、正にリフレクションを推しているセミナーなのであった。